まもコラム

地域の人の心に寄り添った家事代行による高齢者見守りサービス

地域の人の心に寄り添った家事代行による高齢者見守りサービス

「オーラ(Ola)」とは

新型コロナウイルスの感染拡大により、県境をまたぐ帰省が難しくなっている中、遠く離れた親世代の様子が気になっている人も多いのではないでしょうか。
岡崎医療株式会社では、家事代行サービス「オーラ(Ola)」と、見守りシステムとを組み合わせた高齢者見守りサービス「オーラでまもる~の」を日本で初めて開始。
山形県ではテレビや新聞に取り上げられるなど、注目を集める新サービスとして期待されています。そこで「オーラ(Ola)」は一体どのようなサービスなのか、「オーラ(Ola)」を提供している岡崎医療株式会社の齋藤社長にお話を伺いました。

暮らしの困りごとをお手伝い 家事代行サービス「オーラ」

― まず「オーラ(Ola)」の名前の由来について教えてください。

Okazaki life assist」の頭文字でOla(オーラ)です。Olaはポルトガル語で「こんにちは」の意味ですので、挨拶をきちんとして、ご家庭の中、暮らしの中のお困りごとをお手伝いさせてもらうという意味も入っています。

― どういった方たちが利用されていらっしゃるのでしょうか?

主に高齢者の方が利用されています。サービスの申し込みする方は、すなわちサービス料金を負担するのは高齢者のご家族が多いです。特に山形県内に住んでいないご家族のほうが多いですね。それから、当社の所在する「あこや町」にお住いの高齢の方は、ご自身で申し込むケースも多いです。
コロナの影響もあるのでしょうか、今年に入ってからお問い合わせも増えてきており、定期契約のご利用者は30数件になりました。
※ 料金体系については最後部に記載

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「地域の人たちの心に寄り添いたい」という思いが原動力

― オーラを始めたきっかけについて教えてください。
岡崎医療株式会社
代表取締役社長
齋藤 嘉廣 様

当社は、山形県で医療機器や介護福祉関係の製品を販売していて、お客様は医療機関と福祉介護施設が中心となっています。ただ、お客様の先には患者様や高齢者の方たちがいるわけで、そうした方たちのために仕事をしているんだということを社員全員が常に考えています。

近年、この地域においては「困っている高齢者」、「助けてほしいという高齢者」が増えてきており、当社として何ができることはないか、地域のために役立てることはないか?ということを検討するチームを社内に作りました。当社は薬局事業も手がけており、薬局でお客様の健康相談に乗ることはあるのですが、薬局では相談以上のことはできません。そこで、家事代行という仕事を通じて地域の困っている方たちの役に立てるのではないかと考えました。

2017年から準備を始めて、2018年2月にサービスを開始しました。構想当初はダスキンなどのような大手家事代行業者からフランチャイズのお誘いもたくさん受けました。フランチャイズにはいい面もありますが、自分たちが考えているとおりにはできないという縛りもありますので、自力で取り組むことを決めました。
ただ、最初はノウハウがなかったので、家事代行業者のクラッシーコンシェルジュさんに研修をお願いして基本的なことを学びました。

― 地域の事情にあった家事代行をやるべきだと考えたわけですね。

そうです。それに東北地方特有の事情でもありますが、最初はなかなか信用を得るのが難しい。さらに家の中に人を入れることに対するガードも堅いわけです。大手のフランチャイジー事業者が山形県に2件ありましたが、1つは今年の春に撤退してしまいました。
当社の本業では医療機関や福祉介護施設がお客様となっていて、そこには医師やケアマネージャーがいます。家事代行を利用したいと願う高齢者とは「医師やケアマネージャーからの紹介」という形でつながっていくという強みを当社は持っています。

― 家事代行というと共働きで忙しい若い方たちが利用するものというイメージがあります。

子育て世代の方も利用者の一部にはいますが、オーラは高齢者の方たちが利用者の中心となっています。サービス開始した当初は訪問介護サービスと比較されました。介護保険を利用したほうが価格的には安いからです。
しかし、訪問介護で利用できるのは被保険となっているご本人のみであり、食事を提供するといってもご夫婦のうち要介護の本人の分しか介護保険では利用できません。また、介護保険以外の業務も提供することができないのです。
よくよく考えてみると、要介護でない方で困っている方は実はたくさんいます。さらには介護を必要とする方でも要介護認定を取らない方が地域には結構いるのです。
サービス開始当初は、地域包括支援センターを訪問していてオーラの利用を希望される方がいないかどうか相談したのですが、訪問介護と価格で比較されたりして利用者の方がなかなか見つかりませんでした。今では逆に利用者の方から「価格が高い」と言われることはありません。介護保険では解決できないことを提供するからです。それに急なご要望でも私たちは駆け付けすることができます。介護保険ではケアプランの中で決められた範囲内でしか訪問することができませんが、私たちは急な訪問でも対応できます。要するに私たちは地域の人たちの心に寄り添いたいという気持ちで始めたことなのですから。

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家事だけでなく通院同行も ご利用者のあらゆる要望に柔軟に対応

― どのようなサービスを提供しているのでしょうか?

ご家庭の家事代行というものでというと、一番多いのが「お掃除」です。お部屋のお掃除だけではなく、「水回り」のお掃除、お風呂場であったり台所であったり、というところのお掃除も多いです。

次に多いのは「お片付け」です。最近多いのは、亡くなったご両親の遺品の整理です。ご利用者と一緒に片づけをするのですが、週に1回2時間くらいじゃ片付きません。モノが多い方もいらっしゃるので、相当な時間がかかることがあります。
夏場に多いのは、「庭の草取り、庭木の剪定」です。山形では最近、空き家が多くなってきていて、空き家の庭の草取りなどもやっています。

― そういった草取りについては、シルバー人材センターを活用される方も多いのではないでしょうか?

そうですね。シルバー人材センターは価格も安いので、利用されている方もいらっしゃいます。しかし、シルバー人材の方は依頼された仕事しか対応できません。「草取り」だったら草取りだけ、となります。オーラの場合は、ついでに「家の中の片付け」を手伝うなどお家の中のあらゆる要望にも対応できる点が受けています。
単純な見守りというニーズというのも少なくありません。要は高齢者のお話相手ということですが、お話をしてお片づけを手伝って、遠くにいるご家族に状況をお伝えしています。
見守りについてはご家族から依頼されるのですが、実はケアマネさんから見守りの相談を受けることが多いのです。
また、最近多くなっているものとして、ケアマネさんからくる依頼に「病院への通院同行」というのがあります。施設に入っている方であっても、介護スタッフの方が通院同行する時間がない場合にオーラを利用したいというお話を頂きます。車いす利用の方ですと、病院にいって、受付をして、診察室の前に待っていて、呼ばれたら診察室の中に入って、会計してという一連の流れがご自分一人ではなかなかできないのでサポートが必要なのです。多い時には1日で整形外科、皮膚科、内科など3軒回ることもあります。

― 料理の代行もやってらっしゃるのですか?
はい、料理の代行もやっています。つい最近来たご依頼は、「高齢の方で病院から退院してきたので、ご飯を週三回作ってください」というものでした。腎臓病で制限食が必要な方ですが、当社には管理栄養士のスタッフがいるので対応できます。
栄養士や調理師の免許を持っているスタッフもいます。

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ご利用者の生活スタイルに合わせたサービス提供を大切に

― お仕事をするうえで大事にされていることは?

一番大事なことは「信頼」です。ご家庭の中にはいるわけなので、ご家庭の中で見たこと、聞いたことを外部に話さないこと、つまり秘密を守る義務が生じます。ご利用にあたってはまずヒアリングをすることから始まります。ご希望を聞く中で、家族構成、緊急連絡先、ご病気の有無などプライバシー情報に関わるので、これを漏らさないということが信頼関係にとって不可欠です。
それには「いいスタッフ」を採用することが欠かせません。採用は相当に慎重におこなっています。誰でもいいから、というわけにはいきません。有資格者が面接にもきますが、むしろお人柄であったり、志をお持ちだったりする方を重視しています。
また、当社のスタイルとして、ご利用者の生活スタイルに合わせてサービスを提供することを大切にしています。例えば、お掃除のやり方を一つとっても100人いれば100通りのやり方があるわけです。当社の場合はご家庭にある洗剤・道具を使って、ご利用者のやり方で掃除をおこないます。ダスキンさんの場合は、自社の洗剤・道具で自分たちのやり方で掃除をしますが、人によっては普段使っている洗剤と違っていることで不快に思うこともあるわけです。

― 将来的なビジョンについてお聞かせください。

これからは、私たちのお客様である医療機関の方たちにもご利用いただきたいと考えています。医療機関の従事者である医師や看護師さんはとても忙しいので、まさにそうした方たちにとってのサービスでもあるわけです。現在でも医療機関やお寺など法人に掃除などのサービスをご利用いただいています。
また、最近はメディアに取り上げられる機会も多いこともあって、サービス提供エリア外からの問い合わせも増えています。山形県のなかでも現在は山形市・天童市・上山市だけしかご利用いただけないので、行く行くは山形県全域に広げていきたいと考えています。

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人とシステムを組み合わせた新しい見守りサービスでご家族に安心を届けたい

― まもる~のHOMEとの連携について

まもる~のHOMEで、機械による見守りです。オーラは人による見守りですが、まもる~のHOMEと組み合わせることでご家族の安心をより強固にするものができると考えています。地域の介護保険でカバーされない高齢者にとってこれからますます必要とされる新しい見守りの形だと言えるでしょう。

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【関連サイトページ】

杉山 貴子

介護ロボットメーカー勤務。カスタマーサクセスを担当。
介護に関するコラム記事を執筆中。

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