まもコラム

介護システムはオンプレミス型からクラウド型へ移行!正しい選び方は?

介護システムはオンプレミス型からクラウド型へ移行!正しい選び方は?

介護業界は人手不足により業務効率化が避けて通れなくなってきています。
各施設で介護システムの導入は、従来のオンプレミス型からクラウド型に移行していることも大きな特徴です。
この記事では、まず介護システムの世の中の流れをご紹介し、介護システムの特徴と選び方について解説します。

はじめに

介護業界は人手不足が深刻な問題となっており、デジタルを活用した業務効率化は避けられなくなりました。
近頃は、業務効率化の目的で、介護システムを導入する施設が増えています。

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業務効率化支援「介護システム」の市場動向

出典元:介護・福祉関連製品・サービス市場を調査|富士経済グループ

2019年9月、マーケット調査会社の富士経済が発表した「Welfare関連市場の現状と将来展望2019」によると、介護業務支援システムの市場規模は2019年度に11億円、2025年度には22億円と2倍に伸びると予測されています。
従来は、介護記録は手書きで行われていましたが、デジタルを活用した記録に切り替わるなど業務効率化に取り組む施設が増えていることが調査結果からも分かります。

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業務効率化支援「介護システム」とは

各施設で、介護システムを導入して業務効率化の取り組みが実施されています。
実際に、どのような機器を導入するのでしょうか?ここでは、介護システムに使用される各機器についてご紹介します。

臨床検知マット

臨床検知マットを踏むと受信器へ無線で通知をする福祉用具です。各所に臨床検知マットを設置すれば、徘徊検知や立ち位置禁止検知、トイレ前検知ができます。設置方法は簡単でありながら、多くの利用用途を持つ福祉用具です。

臨床検知センサー

施設入居者の検知は、臨床検知マットだけではありません。臨床検知センサーは、超音波を使用して、入居者の動きをキャッチします。部屋の出入り口に設置すれば退室・入室を報知することもできます。

環境センサー

環境センサーは、各居室に設置するだけで、入居者の状態や居室環境を把握できる福祉用具です。ベッドに取り付ければ、入居者様の呼吸数や心拍数を検知。また、離床センサーとしても活用できます。
部屋に取り付ければ、温度・湿度・照度・気圧を自動で測定できて、就寝環境の状態の把握も可能です。リアルタイムで取得した各データは、システムに自動登録され、数値に異常が出た場合はアラートを発動して知らせてくれます。

ネットワークカメラ

施設内にネットワークカメラを設置すれば、施設内の状況が把握できます。スマートフォンやタブレットなどの端末でモニタリング可能です。映像のズーム、プリセットなどの切り替えも容易に行えます。

無線ナースコール

無線ナースコールは配線が必要ないため、自由にレイアウトできます。無線ナースコールは種類が豊富です。ペンダントタイプで持ち運べるものであれば、入居者は場所を選ばずにナースを呼び出せます。また、配線工事の必要がないためコストダウンにもつながります。

介護記録ソフト

介護記録ソフトは、バイタル記録や食事・水分摂取量、排尿・排便量記録が行えます。近頃は、各居室に備え付けのQRコードを撮影すれば、記録ページにアクセスできるソフトなどが登場。ボタン配置や見やすさも最大限に配慮されており、誰でも気軽に操作できるソフトが販売されています。

シフト管理ソフト

介護現場では、スタッフのシフト組み立てや勤怠管理を行わなければいけません。これらのシフト組立てに莫大な時間を要している介護施設も多いです。シフト管理ソフトは、介護施設に対して最適な働き方を提案し業務効率化が図れます。

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【クラウドとオンプレ】介護システムの仕組みを比較

介護システムで業務効率化できる仕組みは理解して頂けたと思いますが、システム構築方法には「クラウド」と「オンプレミス」の2つの方法があります。

クラウドとは

クラウド(cloud)を訳すると「雲」になりますが、IT分野では、インターネット経由で接続できるサービスのことをいいます。施設内にサーバーを設置する必要がないため、安価で利用できます。
また、クラウド上にデータを保管しておくことで、災害復旧も可能です。システムエラーが発生した場合は、リモート操作でメンテナンスをしてもらえるため短時間で直してもらえます。便利なクラウドは、セキュリティ面が弱いと言われていましたが、IT技術の進化により、セキュリティ強度も上がってきておりクラウドを導入する施設が増えてきました。

オンプレミスとは

オンプレミス(on-premises)とは、施設内にシステムを保有して運用することをいいます。施設内にサーバーや通信回線、機器を備えて設置工事を行う必要があります。全てを自社内で管理するため、機密情報や個人情報が漏洩する心配がありません。
しかし、導入コストが高くて、エラーが起きた場合はメンテナンスを依頼しなければいけず莫大な時間を要します。2007年度にクラウドが登場するまでは、オンプレミス型の運用形態以外ありませんでした。

クラウドとオンプレミスの違い

  クラウド オンプレミス
初期費用 安価 高価
月額費用 変動費 固定費
利用開始可能日 申込後、最短即日 設備導入後
カスタマイズ 制限あり(※1) 自由
外部システムとの連携 行いやすい 制限あり(※1)
サーバーとの接続速度 条件次第 高速
情報セキュリティ (オンプレミスと比較した場合)
弱い
強い
復旧時間 短時間 長時間
災害復旧 対策可能 対策困難
冗長化 容易 高費用化

(※1)制限ありとは、オンプレミスと比較した場合を表します。

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クラウド型介護システムのメリット

クラウド型介護システムを導入する施設が増えていると説明しましたが、どのような導入効果があるのでしょうか?
ここでは、クラウド型介護システムのメリットをご紹介します。

1. 場所・時間を選ばずに利用できる

クラウド型介護システムは、インターネット環境が整備されていれば、場所・時間を選ばずに利用できます。自宅でもアクセスできるため、緊急時の連絡に活躍します。また、アクセス権限を設定すれば、アクセス権限が付与できるのでコントロールしやすいです。

2. 導入期間が短い

クラウドサービスは、自社サーバーを調達する必要はありません。既存のクラウドサーバーを利用するため、システム構築は短時間で終えられます。そのため、オンプレミス型と比較すると導入期間が短く、すぐに使用できます。

3. コスト削減ができる

クラウドは、使用した分の利用料金を支払う従量課金制や必要なサービスのみが含まれたプランを選ぶことができるため、余分な費用を支払う必要もありません。もちろん、自社サーバーの購入費や配線工事などの初期費用も削減できます。

4. 災害復旧もお任せできる

地震や火災などの自然災害が起きた場合でも、クラウドにデータを預けておけばバックアップデータで復旧することができます。オンプレミス型のように、別サーバーを新たに用意する必要はないため、素早く復旧してもらえます。

5. 保守運用を任せられる

介護システム上でエラー表示が出た場合でも、提供会社が保守運用をリモートで対応してくれます。保守運用をお任せできるため、施設でIT知識を持つ従業員を雇用せずに済みます。

6. 地域包括ケアに寄与できる

日本は少子高齢化社会のため、高齢者をサポートする医療・介護のニーズは高まりを見せています。各自治体では2025年度までに地域包括ケアシステムの構築が求められており、情報連携する時代が到来しようとしているのです。クラウドサービスを利用しておけば、簡単に連携が行えるため、地域包括ケアにも寄与できます。

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クラウド型介護システムのデメリット

メリットがあるクラウド型介護システムですが、システムを利用する場合には注意しなければいけないこともあります。ここでは、クラウド型介護システムのデメリットをご紹介します。

1. 情報漏洩の恐れがある

インターネット経由で利用するクラウド型サービスは、セキュリティに気をつけなければいけません。情報漏洩のリスクがあることを把握しておきましょう。しかし、近頃は、世界基準の認証を満たすセキュリティ導入されているシステムも登場しています。そのため、情報漏洩を懸念して、信頼できるメーカーや販売店に相談してください。

2. 自社オリジナルにカスタマイズできない

クラウド型介護システムもカスタマイズが行えますが、制限があります。自社専用のオリジナル介護システムは構築できません。インフラ部分は提供会社にあるリソースが使用されるため、完全独自仕様を求める場合はオンプレミス型が向いています。

3. サーバー接続速度が劣る

クラウド介護システムでは、データの送受信はインターネットを介して行われることになります。そのため、インターネット通信速度が十分に確保されていなければ、理想通りの速度で利用できないという事態を招きます。

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クラウド型介護システムの選び方

クラウド型介護システムの特徴について理解して頂けたと思います。実際に導入を検討している方もいると思いますが、どのようにサービスを選べば良いのでしょうか?ここでは、クラウド型介護システムの選び方をご紹介します。

利用用途に応じた機能が揃っているか

介護システムを導入する場合は、利用用途に応じた機能が揃った機器を導入しましょう。臨床検知でもマット型とセンサー型があります。無線ナースコールの形態もさまざまです。そのため、施設の利用用途に応じたものを導入してください。

豊富な導入実績を持っているか

施設に応じて、導入すべき機器は異なります。しかし、施設側はどのような機器を導入すれば良いか分からないでしょう。そのため、豊富な導入実績を持つメーカーや販売店に相談をしてください。
新しい技術をキャッチアップ出来ているか、同規模施設の導入実績を持っているかなどに着目して相談先を選ぶことで、満足度の高いサポートが受けられます。

セキュリティ対策を行っているか

クラウドサービスは、インターネット経由で利用するものなのでセキュリティ対策が必要不可欠です。そのため、セキュリティに関する知識も豊富に持っているメーカーや販売店に相談をしてください。

サポート体制はシッカリしているか

クラウド型介護システムを導入する前に、提供会社のサポート体制を確認しておきましょう。介護施設は24時間稼働しており、システムエラーになった場合は、速やかにメンテナンスしてもらわなければ大変なことになります。そのため、24時間体制サポートが受けられるメーカーや販売店を選びましょう。

事業拡大・縮小に対応できるか

少子高齢化で介護需要は増えるため、事業拡大する場合もあるでしょう。そのため、将来に備えて、各拠点間の連携などにも対応してもらえるかについても確認してください。

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まとめ

今回は、介護施設で導入が進むクラウド型介護システムのメリット・デメリットをご紹介しました。クラウドサービスはコスト削減や運用の自動化が行える便利なサービスですが、セキュリティ面や通信速度面で不安な部分があります。

しかし、信頼できるメーカーや販売店に相談することで不安は解消できます。ぜひ、今後も導入が増えていく「介護システム」の導入を検討してみてください。

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【参考資料】

芦原 花菜

ITを活用した業務効率化に興味を持ち、米国と中国(深圳)へ渡航。日本より優れているIT技術を目前にして、ビジネスに役立つIT情報を日本企業の経営者に届けたい想いが芽生えて、Webライター中心(マーケティング支援や業務効率化支援も行う)に活動。

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